最近、DEX、すなわち分散型取引所が話題になっています。
それは仮想通貨の取引所の一形態のひとつですが、
「取引所が分散するなんてどういう意味だろう?」
「取引所を巨大なノコギリででも切ったのか?」
と不思議に思う人もいるでしょう。
しかし、実は分散型取引所は、
仮想通貨のハッキング被害を防ぐために生み出されたものといっても過言ではありません。
そこで今回は、過去の仮想通貨盗難事件から、
分散型取引所はいかにしてその教訓を生かそうとしているか、
その存在意義とは何かについて解説します。
過去の仮想通貨盗難事件

今日までの仮想通貨のブームの裏では、
皆さんの大切な資産が盗まれるという悲惨な事件が何度か起きています。
まずは仮想通貨の歴史上、有名な盗難事件の元祖として、
マウントゴックスビットコイン暴落事件が挙げられますね。
2011年6月、日本に本社を置いていた
マウントゴックス取引所のビットコイン価格が15ドル前後から1セントにまで暴落しました。
その原因はハッカーによる遠隔操作で、
莫大なビットコインを自身の口座に移動させ
それらを一気に売り飛ばしてしまったのです。
マウントゴックスは2014年2月、
さらに莫大な量のビットコインを盗まれる被害に遭っており、
被害額は当時の価格で約500億円とも言われています。
こちらがいわゆる「マウントゴックス事件」と呼ばれています。
これ以降も、「The DAO Attack」(2016年6月)というイーサリアム盗難事件、
史上最大の約580億円もの被害を出したコインチェック事件(2018年1月)と、
仮想通貨が盗まれる被害は後を絶ちません。
こうした事件の教訓をどのように生かすか、
仮想通貨業界でも議論と試行錯誤が様々な形で行われているのが実情です。
DEX(分散型取引所)とは何か?
そんな中、現在の仮想通貨業界で話題となっているのが
DEX(Decentralized Exchange)です。
株やFXの場合は、発行された売り物の取引記録全てを一手に引き受けデータ管理する、
いわば「中央管理者」が存在します。
しかし、DEXの場合は、中央管理者が存在せず、
個人間の同意のもと、直接仮想通貨のやり取りができるのです。
通常、物の売り買いは、店舗という敷地内で、
正式に雇われた店員とお客さんの間で行われるのですが、
DEXなら、誰もがある時は物を売りたい店員になり、
ある時は物を買いたいお客さんになれるのです。
DEXは犯罪被害のリスクが低い?
これまで大規模な仮想通貨流出の被害を受けてきた取引所のほとんどは、
マウントゴックスやコインチェックのように中央集権型でありました。
このタイプの取引所の場合は、
管理を一手に引き受けている組織しか専用の秘密鍵を持っておらず、
そこを破られてしまうと、即仮想通貨が手を付けられる事態になってしまいます。
しかし、DEXの場合は、
各個人がそれぞれの秘密鍵を自分で管理することになります。
そのため、ハッキングによって、
取引所を利用している人の大多数が被害を受ける事態は防ぐことができます。
また、中央集権型の取引所は、セキュリティに関する予算をまかなうため、
何かとユーザーから手数料を取ります。
しかし、管理主体のいないDEXでは、
それと比べて大幅に手数料が削減され、安価になっています。
また、管理主体がいなければ、本人確認の必要もないので、
個人情報の流出も必要なく、その入力に余計な時間もかからずして、
スムーズに取引へとありつけられます。
このように、DEXは中央集権型の取引所に懸念されるリスクや
不便さの大部分を解決すべく作られたシステムと言っても過言ではないのです。
まとめ~DEXの存在意義
DEXは、中央集権型の取引所になかったメリットの強さを生かし、
仮想通貨業界で大きく注目される存在となっております。
DEXの存在意義は、仮想通貨のユーザーが、安心して取引所を利用できるよう、
様々な面で配慮されていることでしょう。
ここに究極のお客さん想いのシステムが存在するのです。
仮想通貨を守るセキュリティを重視する人は、
是非ともDEXのシステムを取り入れた取引所に登録してみてはいかがでしょうか!?